FOMOとは?誕生の歴史からSNSでの爆発、AI時代における最新トレンドまで徹底解説
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2026-08-19
ネット用語「FOMO(取り残されることへの恐れ)」の概念や歴史、広まった背景を解説します。2000年代初頭の学術研究やハーバード・ビジネス・スクールでの誕生から、SNSや暗号資産ブームを通じた一般化のプロセスを網羅。さらに、生成AIの急速な発展に伴い、エンジニアや企業、ビジネスパーソンの間で生じている新たな「AI時代のFOMO」や、対概念であるJOMOについても紹介します。

FOMO」(Fear Of Missing Out / 取り残されることへの恐れ)の解説記事

「FOMO」とは?発祥の歴史からAI時代における最新トレンドまで

FOMO(フォーモ / Fear Of Missing Out)とは、「自分だけが重要な機会、最新のトレンド、あるいは楽しい出来事を取り逃しているのではないか」という不安や焦燥感を指す言葉です。

今ではSNSを中心に広く使われるインターネットスラングですが、その歴史は想像以上に古く、時代とともにその意味合いを変化させてきました。


1. FOMOはいつ生まれたのか?(発祥の歴史)

FOMOという概念は2000年代初頭に登場し、学術研究からキャンパス用語へ、そして辞書に載る広範な流行語へと進化していきました。

  • 1996年〜2000年:概念の誕生 マーケティング戦略家であるダン・ハーマン(Dan Herman)博士が、消費者の「見逃すことへの恐れ」に関する心理研究を初めて行い、2000年に学術論文として発表しました。これが理論的な基盤となりました。
  • 2004年:略語「FOMO」の誕生 ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の学生だったパトリック・マギニス(Patrick McGinnis)氏が、学生新聞『The Harbus』に寄稿した記事の中で、FOMO(Fear of Missing Out)および FOBO(Fear of Better Options:より良い選択肢を逃す恐れ)という略語を初めて提示しました。
  • 2011年〜2013年:SNSによる一般化と辞書掲載 スマートフォンやSNS(Facebook, Twitter, Instagram等)の爆発的な普及に伴い、FOMOは主要メディアで盛んに取り上げられるようになりました。そして2013年には正式に『オックスフォード英語辞典(Oxford English Dictionary)』へ収載されました。

2. なぜここまで広まったのか?(ブームの背景)

FOMOが世界的な流行語となった背景には、主に3つの要因があります。

  • SNSによる情報過多 他人の「輝かしい瞬間」(旅行、パーティー、キャリアの成功など)がリアルタイムで視界に入り続けることで、「自分だけが取り残されている」という感覚が強調されるようになりました。
  • マーケティングへの応用 企業やマーケターが「期間限定」「数量限定」といった手法でユーザーのFOMO心理を刺激し、購買意欲を煽る戦略を多用しました。
  • 暗号資産や株式投資(2017〜2021年) ビットコイン、NFT、ミーム株などの価格高騰時に、「乗り遅れたくない(FOMO)」という心理から個人投資家が相場に殺到する現象が起き、金融業界でも定着しました。

3. AI時代において、FOMOはどこで使われているのか?

生成AIが急速に発展する現代において、FOMOは「技術や変化に取り残される恐怖」という新しい文脈で頻繁に使われています。

① エンジニア・クリエイターの「技術的焦燥感」

新しいAIモデル、オープンソースのフレームワーク、Agent構造などが連日のように登場しています。

現象:「数日間SNSやGitHubをチェックしないだけで、業界のトレンドから完全に置いていかれるのではないか」という強い焦り(AI-induced FOMO)が生じています。

② 企業や投資家の「戦略的乗り遅れ恐怖」

  • 現象:IT大手からスタートアップ、ベンチャーキャピタル(VC)に至るまで、GPUの確保やAI関連プロジェクトへの投資競争が過熱しています。
  • 使用例:具体的な活用法や収益モデルが未確定であっても、「他社がやっているから」という理由だけでAI戦略を打ち出さざるを得ない状況(=企業のFOMO行動)。

③ ビジネスパーソンの「キャリアに対する不安」

  • 現象:「AIツールやプロンプトエンジニアリングを使いこなせなければ、将来職を失うかもしれない」という恐怖から、AI講座を受講したり、話題のAIツールを片っ端から試したりする行動が見られます。

まとめと派生概念

かつての「パーティーに自分だけ呼ばれていない不安」から、投資ブームでの「一獲千金のチャンスを逃す恐怖」、そして現在の「AIの波に乗り遅れる焦り」まで、FOMOの本質は一貫して「変化の激しい現代におけるコントロール感と安心感の欠如」にあります。

なお、近年ではこうしたFOMOによる疲弊に対抗する概念として、あえてトレンドから距離を置き、自分のペースや現在の生活を楽しむ心理を表すJOMOJoy Of Missing Out / 取り残されることの喜び)という言葉も広がっています。